2026年、Shopeeの手数料がまた変わった
2025年は手数料改定が年に4回もあった「値上げの年」でしたが、2026年に入ってもその流れは加速しています。
今回の最大の変更は、2026年2月に導入された「5%技術支援費(Technical Support Fee)」です。シンガポール・マレーシア・タイ・ベトナムの4マーケットで、越境セラー(CBセラー)を対象に一律5%が注文完了時に差し引かれます。
さらに、マレーシアではマーケットプレイスコミッション率の引き上げ、ブラジルでは3月に手数料構造の大幅な改定が行われました。Shopeeでの利益構造を見直す必要があるセラーは少なくないでしょう。
この記事では、2026年に入ってからのShopee手数料改定をすべてまとめ、実際にどれくらい利益が減るのかをシミュレーションした上で、具体的な対策を解説します。
【最重要】5%技術支援費(Technical Support Fee)とは?
2026年最大の手数料変更: 越境セラー(CBセラー)に対して、注文完了時に売上から一律5%が差し引かれる新しい手数料です。
対象マーケット
以下の4マーケットが対象です。
- シンガポール(SG)
- マレーシア(MY)
- タイ(TH)
- ベトナム(VN)
対象セラーと適用範囲
この手数料は越境セラー(Cross-Border Seller)のみが対象です。各マーケットの現地セラーには適用されません。日本からShopeeに出品しているセラーは、上記4マーケットでの販売すべてが対象となります。
ダイレクトシッピング、公式倉庫(Official Warehouse)、サードパーティ倉庫(3PF)のいずれのフルフィルメントモデルを利用していても一律に適用されます。
計算方法
技術支援費は、注文が完了した時点(購入者が受取確認、またはShopee Guaranteeの期限切れ)で、売上から自動的に5%が差し引かれます。
- 計算の基準:注文の売上金額(商品代金)に対して5%
- 部分返品の場合:実際に完了した商品数量に基づいて再計算される
- 完了後の返金:すでに差し引かれた技術支援費は返金されない
- 施行前の注文:施行日以前に発生した注文には適用されない
広告クレジットによる補填
Shopeeは、セラーの負担を軽減するため、売上の最大5%相当の広告クレジットを付与するとしています。ただし、全セラーに一律5%が還元されるわけではなく、Shopeeが「成長ポテンシャルやマーケティングニーズ」に基づいて個別に判断するとされています。
広告クレジットの注意点: 広告クレジットは現金として引き出せるものではなく、Shopee Ads(広告)の出稿にのみ使えます。つまり「手数料5%増 → 広告クレジット5%還元」は、そのまま損益がトントンになるわけではありません。広告のROASが十分に高くなければ、実質的に手数料が純増することになります。
マレーシアのコミッション率変更
施行日:2026年2月1日
マレーシアでは、技術支援費5%の導入に加えて、マーケットプレイスコミッション率自体も引き上げられました。
変更の概要
- マーケットプレイスセラー(非Shopee Mall)のコミッション率がカテゴリ別に引き上げ
- ファッション、エレクトロニクス、ライフスタイルなど主要カテゴリで改定
- 具体的な料率は商品カテゴリ・サブカテゴリ・Shopee Cashback Programme加入状況により異なる
- 教科書・アクティビティブックは適用料率から3%のディスカウント
- FMCG(食品・飲料)はサブカテゴリごとに料率が異なる
新規セラーの猶予期間
マレーシアでは、新規セラーに対して初回商品を出品してから120日間はコミッション手数料が免除されるという優遇措置があります。2026年の新規セラーにはこの制度が引き続き適用されています。
最新の料率を確認するには: カテゴリごとの具体的なコミッション率は、Shopee Seller Centre(マレーシア)の「Marketplace Commission Fees」ページで確認できます。自分の取扱カテゴリの最新料率を必ず確認してから価格設定を行いましょう。
ブラジルの手数料改定
施行日:2026年3月1日(現地時間)
ブラジル市場でも、手数料構造に大きな変更がありました。
主な変更点
1. Free Shipping Service(FSS)の標準化
これまでオプションの有料プログラムだったFSSが、すべてのストアに標準提供されるプラットフォーム基本サービスに変更されました。セラーは追加費用なしでFSSの特典を受けられるようになりましたが、その分がコミッション率に織り込まれています。
2. コミッション率の改定
- 越境ダイレクトシッピングのコミッション率が改定
- サードパーティ倉庫(3PF)利用セラーのコミッション率も改定
- サードパーティ倉庫の注文あたりコミッション上限が撤廃 ── これにより、高額商品を扱うセラーの手数料負担が大幅に増加
3. Featured Campaignの追加コスト
Featured Campaign(プロモーションイベント)参加時は、通常のコミッションに加えて追加2.5%が上乗せされます。キャンペーン参加のコスト対効果をより慎重に判断する必要があります。
4. 価格調整の猶予期間
手数料変更に対応するため、2026年2月23日〜3月14日の間に行う価格変更は「過大な値引き(Misleading Discount)」として検知されない特別措置が設けられました。
ブラジル市場の戦略的背景: 今回の改定により、ShopeeのブラジルにおけるTake Rate(プラットフォーム手数料率)は、競合であるMercadoLibreやAliExpressの水準に近づいています。Shopeeが「市場シェア拡大」フェーズから「収益化」フェーズに移行していることを示す動きです。
2025年の手数料改定タイムライン
2026年の変更を理解するには、2025年の改定の流れを振り返ることが重要です。Shopeeは2025年だけで4回もの手数料改定を行いました。
このように、2025年は「SIP撤廃」という一時的なコスト減はあったものの、SLS+ 1.75%やインフラ手数料の新設によって、トータルではほぼすべてのマーケットで手数料が増加しました。そして2026年2月の技術支援費5%が「トドメの一撃」となっている形です。
セラーへの影響 ── 利益はどれくらい減るのか
シンガポール市場の手数料トータル
2026年3月現在、シンガポールで越境販売する場合の主な手数料は以下の通りです(非Mallセラー、Coins Cashback Programme加入の場合)。
| 手数料項目 | 料率 | 備考 |
|---|---|---|
| コミッション(販売手数料) | 3.78〜6.50% | カテゴリにより異なる(GST 9%込み) |
| トランザクション手数料 | 2.18% | 送料込みの決済額に対して |
| SLS+手数料 | 1.75% | 2025年7月〜(VAT抜き) |
| 技術支援費(NEW) | 5.00% | 2026年2月〜、CBセラーのみ |
| Coins Cashbackサービス料 | 最大5.45% | 加入時、上限S$30 |
| 合計目安 | 約16〜20% | カテゴリ・プログラム加入状況による |
具体的な計算例
以下は、シンガポール市場で日本から越境販売する場合のシミュレーションです。
| 項目 | 2025年12月時点 | 2026年2月以降 |
|---|---|---|
| 販売価格(SGD) | S$30.00 | S$30.00 |
| コミッション(5.13%) | -S$1.54 | -S$1.54 |
| トランザクション手数料(2.18%) | -S$0.65 | -S$0.65 |
| SLS+(1.75%) | -S$0.53 | -S$0.53 |
| 技術支援費(5%) | - | -S$1.50 |
| 手数料合計 | S$2.72(9.06%) | S$4.22(14.06%) |
| 受取額 | S$27.28 | S$25.78 |
技術支援費だけで5%の利益減: S$30の商品でS$1.50、S$50なら S$2.50が新たに差し引かれます。仕入れ値と送料を差し引いた後の利益率が10〜15%程度のセラーにとって、この5%追加は利益の3分の1〜半分が消えることを意味します。従来の価格設定のままでは赤字に転落する商品が続出する可能性があります。
対策 ── 利益を守るための3つのアプローチ
1. 価格の見直し(値上げ)
最もシンプルかつ重要な対策です。手数料が5%増えた分をそのまま吸収するのは、薄利多売のモデルでは不可能です。
- 最低限、技術支援費5%分を価格に転嫁する ── 販売価格をS$30からS$31.50〜32に引き上げるイメージ
- 端数調整で「高く見えない」工夫をする ── S$31.99やS$32.90のように心理的に負担感の少ない価格に
- バンドル販売で単価を上げる ── 1点では値上げ感が出るが、2〜3点セットにすれば付加価値として受け入れられやすい
2. 出品マーケットの再評価
今回の技術支援費はSG・MY・TH・VNの4マーケットが対象です。一方、フィリピンやブラジル、メキシコなどは現時点で対象外です。
- フィリピン(PH)は技術支援費の対象外。人口1億超で成長市場
- 台湾(TW)も対象外。日本製品への需要が安定的に高い
- ただし、将来的にこれらの国にも拡大される可能性は高いため、「逃げ先」というよりは「分散先」として考える
3. ツールを使った利益管理の徹底
手数料体系がこれだけ複雑になると、エクセルでの管理には限界があります。
- 出品前に必ず利益シミュレーションを行う ── 赤字商品を出品してしまうリスクを回避
- 為替変動も加味する ── SGDやMYRの変動で利益率は大きく変わる
- 手数料改定のたびに全商品の利益率を再計算 ── 出品済み商品の中にも赤字転落しているものがないかチェック
広告クレジットの活用: 技術支援費の導入に伴い、Shopeeは広告クレジットを付与しています。広告を一切使っていなかったセラーにとっては、これを機にShopee Adsを試してみるのも選択肢です。特に、検索広告(Search Ads)はROASが測定しやすく、クレジット分は実質タダで広告テストができます。ただし、広告費が売上に対して見合わなければ、無理に消費する必要はありません。
まとめ
2026年のShopee手数料改定のポイントを整理します。
| 変更内容 | 施行日 | 対象 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 5%技術支援費 | 2026年2月 | SG・MY・TH・VN (CBセラーのみ) |
売上から5%自動控除 広告クレジットで一部補填 |
| MYコミッション改定 | 2026年2月1日 | マレーシア マーケットプレイスセラー |
カテゴリ別にコミッション率引き上げ |
| ブラジル手数料改定 | 2026年3月1日 | ブラジル全セラー | コミッション改定 3PF手数料上限撤廃 FSS標準化 |
特に日本からの越境セラーにとっては、技術支援費5%の影響が圧倒的に大きいです。これまで利益率10%前後で運営していたセラーは、価格改定なしでは赤字に転落するリスクがあります。
Shopeeの手数料は今後も上がり続ける可能性が高いです。「値上げのたびに慌てて対応する」のではなく、利益シミュレーションを習慣化し、常に最新手数料でマージンを把握しておくことが、長期的にShopeeで利益を出し続けるための必須条件です。
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