1. Shopee手数料が「複雑」と言われる理由
Shopee(ショッピー)は東南アジア・中南米を中心に展開する巨大ECプラットフォームです。日本からの越境EC(クロスボーダー)に対応しており、多くのセラーがシンガポール、台湾、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ブラジルなどに出品しています。
しかし、いざ出品を始めようとすると多くのセラーが直面するのが「手数料がよくわからない」という問題です。
Shopeeの手数料が複雑に感じられる理由は、主に3つあります。
- 国ごとに手数料体系がまったく違う — シンガポールでは販売手数料+取引手数料の2種類で済みますが、フィリピンでは5種類の手数料が重なります。「Shopeeの手数料は◯%」と一言では言えないのです。
- 手数料の種類が多い — 販売手数料(Commission Fee)、取引手数料(Transaction Fee)、FSSサービス料、CCB(Cross-border Buyer Protection)、MDV(Marketplace Development Value)、さらに2026年からは技術支援費(Technical Support Fee)まで加わりました。名称も英語で統一されておらず、混乱しやすいです。
- 頻繁に改定される — Shopeeは年に数回のペースで手数料を改定します。2025年だけでも5月、6月、7月、9月、10月と立て続けに変更がありました。最新情報を追い続けるだけでも大変です。
この記事では、2026年3月時点の最新データをもとに、Shopeeの手数料を国別・種類別に整理して解説します。記事後半では手数料を自動計算できる無料ツールも紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
2. 手数料の種類を5つに分けて解説
Shopeeで商品が売れると、売上から差し引かれる手数料は大きく以下の5種類に分けられます。すべての国で全種類がかかるわけではなく、国によって組み合わせが異なります。
2-1. 販売手数料(Commission Fee)
Shopeeの手数料の中核です。商品が売れたときに、売上金額に対して一定割合が差し引かれます。すべての国で課される基本手数料であり、国によって7.75%〜19.17%と大きな幅があります。
販売手数料率はセラーのタイプ(ローカル/越境)、利用する物流モデル(直送/海外倉庫/3PL)、さらにはセラーの実績ランクによっても変動する場合があります。本記事では越境セラー(Cross-border)のSLS(Shopee Logistics Service)直送モデルを基準に記載しています。
2-2. 取引手数料(Transaction Fee)
決済処理にかかるコストとして課される手数料です。クレジットカード決済、銀行振込、電子ウォレットなど、買い手が選んだ支払い方法に関係なく、一律で課されるのが特徴です。国によって2.00%〜5.40%の幅があります。
2-3. サービス料(FSS / Service Fee)
一部の国ではFSS(Fulfillment Service and Shipping)やその他のプラットフォームサービス料が追加されます。たとえば台湾(TW)では3%のFSS、ブラジル(BR)では6%のFSSが課されます。これは物流・フルフィルメント支援に対する手数料という位置づけです。
2-4. その他手数料(CCB / MDV / Platform Shipping)
国によっては、さらに追加の手数料がかかります。
- CCB(Cross-border Buyer Protection) — 越境取引の購入者保護プログラムのための手数料。台湾(4%)、フィリピン(3.36%)、ベトナム(2.16%)で課されます。
- MDV(Marketplace Development Value) — マーケットプレイスの開発・運営コストとして、フィリピンで3%が課されます。
- Platform Shipping Fee — プラットフォームが負担する送料の一部をセラーに転嫁するもの。フィリピンで5.6%が課されます。
特にフィリピン(PH)は多くの手数料が重なるため、合計が23.78%に達します。出品前に必ず確認しておきましょう。
2-5. 技術支援費(Technical Support Fee) — 2026年新設
2026年2月より新設された手数料です。シンガポール(SG)、マレーシア(MY)、タイ(TH)、ベトナム(VN)の4ヵ国で、売上に対して5%が課されます。
Shopeeの公式発表によると、技術インフラの維持・改善費用という位置づけで、ローカルセラー・越境セラーを問わず全セラータイプに適用されます。導入初期にはShopeeから広告クレジットが付与されるという措置もあるようですが、実質的なコスト増には変わりありません。
注意: 技術支援費の5%は上記の一覧表の合計には含めていません(本記事の一覧表はShopeeのセラーセンターに表示される標準的な手数料を基準としています)。技術支援費を含めると、対象4ヵ国の実質負担はさらに5%上乗せとなります。価格設定時にはこの分を必ず考慮してください。
3. 7ヵ国の手数料一覧表(2026年3月時点)
以下は2026年3月18日時点で確認した、越境セラー(SLS直送モデル)の手数料率です。
| 国 | 販売手数料 | 取引手数料 | その他 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| SG(シンガポール) | 15.75% | 3.00% | - | 18.75% |
| TW(台湾) | 12.75% | 2.00% | FSS 3% + CCB 4% | 21.75% |
| MY(マレーシア) | 19.17% | 3.78% | - | 22.95% |
| TH(タイ) | 16.85% | 3.21% | - | 20.06% |
| PH(フィリピン) | 9.58% | 2.24% | CCB 3.36% + MDV 3% + 送料 5.6% |
23.78% |
| VN(ベトナム) | 14.06% | 5.40% | CCB 2.16% | 21.62% |
| BR(ブラジル) | 7.75% | 2.00% | FSS 6% | 15.75% |
補足: 上記は越境セラー(Cross-border / SLS直送)の標準的な手数料率です。Shopee公式倉庫利用、3PL倉庫利用などの物流モデルによって手数料率が変動する場合があります。最新の正確な値はShopee公式セラー教育ページでご確認ください。
一覧表を見ると、いくつかの傾向が見えてきます。
- ブラジルが最も低い(15.75%)。販売手数料自体が7.75%と格段に安いのが理由です。ただしFSSが6%と高めで、この分を含めての合計です。
- フィリピンが最も高い(23.78%)。販売手数料は9.58%と低いものの、CCB・MDV・プラットフォーム送料が上乗せされ、結果的に最も高くなります。
- シンガポールはシンプルで中程度(18.75%)。販売手数料+取引手数料の2種類のみで、追加手数料がないのが特徴です。
- マレーシアは販売手数料が最高(19.17%)。2025年〜2026年にかけて段階的に引き上げられてきた結果です。
4. 2026年の手数料改定まとめ
Shopeeの手数料は頻繁に変更されますが、2026年に入ってからの主な改定は以下のとおりです。
4-1. 5%技術支援費の新設(2026年2月〜)
2026年で最もインパクトの大きい変更が、この5%技術支援費(Technical Support Fee)の新設です。
- 対象国: シンガポール(SG)、マレーシア(MY)、タイ(TH)、ベトナム(VN)の4ヵ国
- 税率: 注文金額の5%
- 適用対象: 越境セラー・ローカルセラー問わず全セラータイプ。直送・公式倉庫・3PL倉庫すべてのモデルが対象
- 控除タイミング: 注文完了後に売上金額から自動控除
- 返品時の取り扱い: 注文完了後の返金が発生した場合でも、すでに控除された技術支援費は返金されない
Shopeeはこの負担増を緩和する措置として、対象セラーに広告クレジット(注文金額の最大5%相当)を付与するとしています。しかし広告クレジットはShopee内の広告出稿にしか使えないため、実質的なキャッシュアウトであることに変わりありません。
影響試算: 技術支援費5%を含めた場合の実質合計は、SG: 23.75%、MY: 27.95%、TH: 25.06%、VN: 26.62% となります。売価の4分の1以上が手数料に消える計算です。価格設定の見直しが必須です。
4-2. 販売手数料の改定(2026年3月〜)
2026年3月1日付けでShopee公式通知により、各国の販売手数料(Commission Fee)が改定されました。本記事の一覧表はこの改定後の数値を反映しています。
特にマレーシアとシンガポールでは、2025年から段階的に販売手数料が引き上げられてきており、その傾向が2026年も続いています。
4-3. 新規セラー向けコミッション免除(2026年〜)
一方で、新規セラーを呼び込むための優遇措置も導入されています。シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピンの5ヵ国では、新規出店から最初の3ヵ月間、月500注文までコミッション無料となります。
これからShopeeを始めるセラーにとっては、初期コストを抑えながら市場テストを行える良い機会です。
最新情報について: 手数料改定は頻繁に行われます。本記事は2026年3月時点の情報です。最新の手数料についてはShopee Japan公式サイトをご確認ください。
5. 手数料を考慮した価格設定の方法
Shopeeの手数料を正しく理解したうえで、次に重要なのが「どう価格に反映するか」です。手数料を見落としたまま値付けすると、売れれば売れるほど赤字になるという危険な状態になりかねません。
5-1. 価格設定の基本式
Shopeeでの価格設定は、以下の要素をすべて足し合わせて算出します。
たとえば、シンガポール向けに以下の条件で販売する場合を考えます。
- 仕入れ原価: 1,000円(約8.88 SGD、1 SGD=112.6円で換算)
- 国際送料(SLS): 2.23 SGD(100g以下の場合)
- 目標利益: 3.00 SGD
- 手数料率合計: 18.75%(技術支援費5%を含めると23.75%)
= 14.11 ÷ 0.7625
= 18.51 SGD
つまり、仕入れ原価1,000円の商品をSGDで販売する場合、最低でも約18.51 SGD(約2,084円)の値付けが必要になります。仕入れの約2倍の値段をつけて、ようやく3 SGD(約338円)の利益です。
5-2. 見落としがちなコスト
上の計算式はシンプルですが、実際にはさらに以下のコストも考慮する必要があります。
- 為替変動 — 円安・円高で原価が変動します。為替レートにはバッファ(5〜10%程度)を見込むのが安全です。
- SLS送料のリベート — Shopeeは国際送料の一部をリベート(還元)する仕組みがあります。シンガポールの場合、1注文あたり約1.37 SGDのリベートがあるため、その分だけ実質送料が下がります。
- 梱包資材費 — 段ボール、プチプチ、テープなどの費用。1件あたり50〜100円程度ですが、利益が薄い商品では無視できません。
- 返品・破損リスク — 越境ECでは返品率が国内ECより高い傾向があります。一定割合の返品を想定して価格に織り込んでおきましょう。
- Shopee Ads(広告費) — Shopee内での広告出稿を行う場合、その費用も加味する必要があります。
5-3. 手数料が異なる7ヵ国に同時出品する場合
Shopeeでは複数の国のマーケットプレイスに同時出品できますが、国ごとに手数料率がまったく違うため、同じ商品でも国ごとに異なる価格を設定するのが基本です。
たとえば、同じ商品でも手数料の低いブラジル向けなら安く、フィリピン向けなら高く設定する必要があります。しかし、7ヵ国分の価格を手作業で計算するのは極めて手間がかかります。
6. 無料の価格計算ツール紹介
Shopeeの手数料計算は、国ごとに異なる手数料率・SLS送料テーブル・リベート額・為替レートを組み合わせる必要があり、正確な計算には非常に手間がかかります。
そこでおすすめしたいのが、Shopee越境セラー向けの無料価格計算ツール「Auto-Shopee 価格計算ツール」です。
主な機能
- 7ヵ国対応 — SG、TW、MY、TH、PH、VN、BRの手数料を一括計算
- 最新の手数料データ反映 — 2026年3月の改定を含む最新データを使用
- SLS送料テーブル内蔵 — 重量を入力するだけで国別送料を自動算出
- リベート額の自動計算 — 各国のリベートを反映した実質送料を表示
- 為替レートの自動取得 — 手入力不要で最新レートを反映
- 目標利益からの逆算 — 「いくらで売ればいくら残るか」を瞬時に算出
面倒な手数料計算から解放されて、商品リサーチや出品作業に時間を使えるようになります。登録不要・完全無料でブラウザから利用できます。
7. 出品作業の自動化ツール紹介
価格計算の次に時間がかかるのが、出品データの作成です。Shopeeに商品を登録するには、商品画像の整形、Mass Uploadファイルの作成、カテゴリ設定、商品説明の翻訳など、多くのステップが必要になります。
特に数十〜数百商品を扱うセラーにとっては、1商品ずつ手作業で登録するのは非現実的です。
「Auto-Shopee」は、Shopee SGで売れている商品からAmazonの同等日本商品を自動マッチングし、Shopee出品に必要なデータを一括自動生成するツールです。
Auto-Shopeeでできること
- 画像自動整形 — マッチングしたAmazon商品画像をShopee推奨サイズに変換し、オリジナルフレーム画像を合成
- 価格自動計算 — 上記の計算ロジック(手数料・送料・リベート・為替)を自動適用
- Mass Upload CSVの自動生成 — Shopeeの一括登録フォーマットに準拠したファイルを出力
- カテゴリ自動マッピング — 取得した商品のカテゴリをShopeeのカテゴリツリーに自動変換
- 食品・美容カテゴリ対応 — 原材料リストなどの特殊フィールドも自動入力
買い切り型(サブスク不要)で、無料版(累計5商品まで)もあるので、まずは試してみることをおすすめします。
出品データの自動生成で効率化
価格計算だけでなく、画像整形・Mass Upload CSV作成・カテゴリ設定まで一括自動化。
手作業の出品準備時間を大幅に削減できます。
8. まとめ
Shopeeの手数料は国ごとに異なり、複数の手数料が重なるため一見複雑です。しかし、種類を理解して整理すれば、正確な価格設定が可能になります。
最後に、本記事のポイントをまとめます。
- 手数料は大きく5種類 — 販売手数料、取引手数料、サービス料(FSS)、その他(CCB/MDV/送料)、技術支援費
- 合計手数料率の幅は15.75%〜23.78% — 最安はブラジル(15.75%)、最高はフィリピン(23.78%)
- 2026年2月に5%技術支援費が新設 — SG、MY、TH、VNの4ヵ国が対象。これを含めると実質負担は最大約28%に
- 価格設定は「逆算式」で — 販売価格 = (原価+送料+利益) ÷ (1-手数料率) の式を使い、手数料込みで目標利益を確保する
- 7ヵ国分の計算はツールで自動化 — 手計算はミスの元。無料の計算ツールを活用しましょう
Shopeeは手数料が年々上昇傾向にありますが、東南アジア最大のECプラットフォームとしての集客力は依然として強力です。手数料を正しく理解し、適切な価格設定を行うことで、越境ECでの安定した利益確保を目指しましょう。